財政制度等審議会(財政審、財務省の諮問機関)は20日に取りまとめた「秋の建議」で、介護職員の処遇改善について介護報酬の改定率を高くするだけでは解決にはならず、介護事業者内の「経営者を含めた」所得格差の是正に踏み込んで取り組むべきだと主張した。
この指摘は、1日の財政審の財政制度分科会で財務省が示した社会保障に関する提言にはなかったが、今回の建議に盛り込まれた。
財政審は、2024年度予算の編成に関する建議で介護報酬改定にも言及した。
その中で、介護費用の総額は高齢化の進展で毎年大幅に増加しており、必要な介護サービスを提供しつつも国民負担を軽減するために報酬の合理化や適正化を進めることが不可欠だと説明。
介護分野での担い手の確保が課題となる中、現場の従事者の処遇改善につながる構造を構築すべきだとした。
その際、現役世代の保険料負担増を最大限抑制する必要があることを踏まえ、介護報酬の改定率を単に高くしただけでは問題の解決にはならないとし、「介護事業者内の経営者を含めた所得格差是正にも踏み込んだ取り組みが必要」だと強調した。
また介護従事者の賃上げ状況について
(残り164字 / 全648字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】