厚生労働省は15日、2024年度の診療報酬改定で地域包括ケア病棟による高齢者の救急搬送への対応を促すことを提案した。急性期病院に患者が集中して本来の機能を発揮できなくなるのを防ぐため、入院医療の機能分化を進めるのが狙いで、それへの反対意見はなかった。【兼松昭夫】
ただ、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は中医協がこの日開いた総会で、地域包括ケア病棟の受け入れを促進するとしても、現在の13対1の看護配置では限界があるという認識を改めて示し、「さらなる人員配置が必要となることも考えられる」と指摘した。
木澤晃代専門委員(日本看護協会常任理事)は、特に夜間の看護体制の充実が不可欠だと訴えた。日看協の調べでは、地域包括ケア病棟入院料1の病棟は本来の13対1よりも手厚い「8.3対1」の看護配置で運営されていることが分かったという。
太田圭洋委員(日本医療法人協会副会長)は、地域包括ケア病棟による高齢者の救急搬送への対応を促すことに「異論はない」と述べ、厚労省案への反対意見はなかった。
長島委員は、自宅や介護施設などから入院した患者の治療方針の意思決定支援を評価する「在宅患者支援病床初期加算」の
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