26日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会では療養通所介護が抱える課題についての議論が行われた。2021年度介護報酬改定では月当たり包括報酬になり、介護度に関わらず一律の報酬となったが、厚生労働省は、医療ニーズの高い利用者が他のサービスよりも多い状況を踏まえ、特に手厚い人員を配置した事業所のうち、要介護度の高い利用者の割合が大きい事業所を評価する案を示した。
療養通所介護とは、難病などの重度要介護者や、がん末期の人など、看護師による観察が必要な利用者を受け入れる地域密着型サービス。自宅から事業所に通い、入浴や排せつ、食事などといった介護や、日常生活上の世話、機能訓練を行うことで、利用者の孤立感を解消したり、家族の精神的負担を軽減したりすることを目的としている。これまでの制度改正により、医療的ケアを必要とする心身障害児などの受け皿として、同一事業所内で障害児等通所支援事業を実施できるよう運用が弾力化された経緯がある。現在、約4割の事業所が児童発達支援や放課後等デイサービスなど障害福祉サービスを併設している。
療養通所介護では、重度者であるため、入院などによる急なキャンセルで専用スペースに空きが発生するなど、安定した利用や報酬の確保ができないことが課題となっている。また事業者団体(日本訪問看護財団)へのヒアリングでは、以前の出来高報酬の場合は月に1、2回のスポット利用から新規利用者の登録につなげられていたが、包括報酬になったことで難しくなった点が示された。また、包括報酬化に伴い利用料が高くなり、利用者や家族の希望で中止をするケースも増え、足元の調査では約6割の事業所が赤字経営となっている。
こうした状況を踏まえ、厚労省は、
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