新型コロナウイルスの入院患者を受け入れる病院の2020年度の医業収支は平均6.6億円の黒字で、1病院当たりの黒字幅が前年度の0.2億円から大幅に拡大したことが、財務省の集計で分かった。新型コロナ関連の補助金の支給額が1病院当たり10億円を超え、収入を押し上げた。補助金を除くと平均で3.5億円の赤字だった。【兼松昭夫】
財務省では、新型コロナの入院患者の受け入れを支援する緊急支援事業補助金が20年度に支給された1,715病院のうち、厚生労働省のアンケートに回答した1,290病院のデータから1病院当たりの収支を集計。財政制度等審議会(財政審)の財政制度分科会に11日、結果を報告した。
それによると、新型コロナ関連の補助金を含めない場合の1病院当たりの収支は、医業収益が94.9億円(前年度比3.6億円減)、医業費用は98.4億円(同0.1億円増)で3.5億円の赤字だった=図=。
しかし、緊急支援事業補助金など新型コロナ関連の補助金の支給額が1病院当たり10.1億円に上り、その分を含む医業収支は6.6億円の黒字だった。黒字幅は19年度(0.2億円)から6.4億円拡大した。収益性の高さを示す利益率は6.3%(前年度0.2%)だった。
緊急支援事業補助実施病院の収支状況(1,290病院の平均値)
出典:財政制度等審議会財政制度分科会(2021年10月11日)の資料
財政制度分科会はこの日、22年度政府予算の編成に対する提言の取りまとめに向け、社会保障費の議論を始めた。増田寛也分科会長代理は会合後に財務省内で記者会見し、
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