政府は18日の臨時閣議で「経済財政運営と改革の基本方針 2021」(骨太方針)を決定した。「かかりつけ医機能」の強化・普及や診療所を含む外来機能の明確化・分化の推進などと共に、さらなる包括払いの在り方の検討を含む診療報酬の見直しを原案通り社会保障改革のメニューに掲げた。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に進める新たな仕組み作りの一環という位置付けで、それらによって、質が高く効率的な医療提供体制を整備する。規制改革実施計画と成長戦略も同日、閣議決定した。【松村秀士、兼松昭夫】
首相官邸ホームページより
菅政権が初めて決定した骨太方針では、新型コロナの感染拡大と少子・高齢化の加速を踏まえ、改革のスピードを速める必要性を指摘した。
団塊世代の人たちが75歳以上に差し掛かり、社会保障費の急増が見込まれる22年以降をにらみ、政府は財政健全化を引き続き進める。骨太方針には、社会保障費の実質的な伸びを高齢化による増加分に収める「基盤強化期間」(19-21年度)の対応を22-24年度に継続させる方針を示した。ただ、高齢化の加速に伴う対応の強化には踏み込んでいない。
分野ごとの歳出削減をこの3年間に着実に進めるため、政府は経済・財政一体改革の新たな改革工程表を年末に作り、進展を毎年点検する。西村康稔経済財政政策担当相は18日、臨時閣議後の記者会見で、新型コロナに対応するため病床確保などの必要な支出をためらわずに行う一方、中長期的な財政健全化の旗は堅持する考えを示した。
■処方箋の反復利用なども検討
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