厚生労働省は23日、レムデシビルについてWHOが死亡率の改善などに「ほとんど効果が認められないまたは全く認められない」と発表したことに対し、「詳細な評価・検証を待つ必要がある」との姿勢であることを示した。一方、米国が22日にレムデシビルを正式承認したとし、回復期間の短縮というレムデシビルによる患者への利益は、WHOの試験結果で否定されるものではないとのFDAの見解を紹介した。【ライター 設楽幸雄】
厚労省は、WHOの発表では、WHOが関係協力機関と実施している臨床試験の中間結果で、入院患者の死亡率の改善などには「ほとんど効果が認められないか、全く効果が認められなかったようだ」としたが、この中間結果については、論文の掲載のための専門家による査読を受ける前のプレプリントの段階にあることを指摘した。
そのため、厚労省としては、この臨床試験の結果についての「詳細な評価・検証を待つ必要がある」との姿勢であることを明らかにした。今後も情報収集を進める。
一方、レムデシビルを5月7日に特例承認したのは、米国で同月2日に緊急使用許可が行われ、厚労省としても、複数の臨床試験の結果から一定の有効性が確認できたためであることを改めて示した。
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