【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が5月25日に全国で解除されましたが、解除後早々に九州や首都圏で院内感染が発生しています。マスメディアを通して院内感染が報道されたことで、患者が警戒して外来離れが続いている病院にとっては、非常に苦しい状況となっています。
全国保険医団体連合会のアンケート調査の速報(約3,600 件の回答を集計)では、医科医療機関の2020年4月の保険診療収入が、前年同月の86.5%に減少したそうです。また、回答したおよそ4分の1の医療機関が、保険診療収入は30%以上「減った」と回答しました。
5月以降もしばらく状況は変わらないことから、4月分の診療報酬が入金される6月以降の病院経営は厳しさを増すでしょう。
また、経営不振から給料カット・夏のボーナスカットの話題も出ています。複数の医療機関の経営層に確認しましたが、新型コロナウイルスによる経営インパクトが大きく、各種カットは「やむを得ない状況」とのことでした。報道によると、一般企業への調査ではボーナスを平均10%カットすると回答した所が多かったようです。
一方で、病院の職員側はコロナ禍により業務量が増えて、感染症対策などでも神経をすり減らしています。このような職員に対し、経営層がコンセンサスなきボーナスカットを行うと、退職の契機となりかねません。
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