日本製薬団体連合会の手代木功会長(塩野義製薬社長)と日本製薬工業協会の中山譲治会長(第一三共会長)は10日、加藤勝信厚生労働相に、骨太方針2020に向けた要望書を手渡した。新型コロナウイルス感染症に対する治療薬とワクチンの創出のための環境整備、創薬力最大化のためのイノベーション整備などとともに、中間年薬価調査・薬価改定の延期を求めた。【ライター 設楽幸雄】
日薬連の要望は、▽新型コロナウイルス感染症に対する製薬産業の対応への支援▽薬価毎年改定(いわゆる中間年改定)の延期▽研究開発の進行▽ジェネリック医薬品の普及と確保▽セルフメディケーションの推進-の5項目。
中間年改定の延期については、▽卸と医療機関・薬局との価格交渉が大幅に遅れている▽医療現場では多大な負担を強いられ、平時と異なり支援が必要な状況にある▽医薬品業界は、医薬品の安定供給のため全力で役割を果たしている-ことを理由として挙げた。
製薬協は「提案」として、第1に「新型コロナウイルス感染症に対する治療薬・ワクチンの創出」を挙げ、ドラッグ・リポジショニング(既存薬の転用)による早期対応のため、研究開発の支援促進、既承認薬をプールしたライブラリーを構築し追加効能を評価して薬価を加算、RWD(リアル・ワールド・データ)の活用体制を早期に構築し迅速承認することなどを求めた。
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