ナショナルデータベース(NDB)や介護保険総合データベース(介護DB)のデータを連結・解析して利活用するための基盤整備に向けて、厚生労働省の「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」で、5月の初会合からこれまで8回にわたり話し合いが行われた。厚労省は9回目となる15日の会合で、社会保障審議会の医療保険部会と介護保険部会へ提出するための報告書案を示した。委員からは一部の修正を求める意見があり、最終の報告書は議長に一任された。年内には両部会へ提出される見通し。【齋藤栄子】
2017年に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」では、健康・医療・介護のビッグデータを連結して医療機関・保険者・研究者・民間などが活用できるように、20年度の本格運用開始を目指すことが盛り込まれた。
このため、NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)と介護DBの連結・解析と基盤の構築、セキュリティーや効率的な実施体制の確保などの課題、保健医療分野の「その他の公的データベース」との連結などについて、議論を進めてきた。
報告書案では、▽法律的な対応が必要な課題▽運用面での対応が必要な課題▽実施体制・費用負担のあり方▽保健医療分野の他の公的データベースとの関係整理―など、議論の内容が6つの柱に整理された。
■「公益目的での利用に限定」を明確に規定すべき
「法律的な対応が必要な課題」では、NDB・介護DBの収集・利用目的と、両データを連結して解析することを法令などに明確に定めることが必要だとした。
(残り1991字 / 全2651字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】