【医療法人社団浅ノ川金沢脳神経外科病院 事務部経営企画課課長 川腰晃弘】
連載を通し、現行の「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)に関する問題点をいろいろと述べてきたが、あくまでそれは“評価方法としての看護必要度”に言及したものであり、2018年度診療報酬改定を経て、急性期一般入院料1(旧7対1)の基準を満たせなくなった病院は、それほどないだろう。個人的には、18年度改定は“仕組みづくり”がメーンであり、本格的な絞り込みは20年度改定以降と考えている。
18年度改定を担当した厚生労働省保険局医療課長の迫井正深氏(現・厚労省大臣官房審議官)は、今回の改定について「地域医療構想に寄り添った改定を進めた」と発言しており、今後はより地域医療構想の実現を見据えた診療報酬改定となっていくことが予想される。周知の通り、地域医療構想では、25年における病床機能ごとの適正病床数を、医療資源投入量(≒1日単価)をもって推計しているので、これからは看護必要度だけでなく、1日単価も意識する必要が出てくるだろう。つまり、現時点で看護必要度が高くても、1日単価が低い症例が多い病院(図の「パターン2」)は注意が必要ということだ。
図 看護必要度の重症者割合と1日単価の関係性のパターン
■1日単価を上げるには
グラフは当院の主要疾患の看護必要度Iの該当者割合と1日単価の関係性について、4つのパターンに従って色分けしたものだ(改定前の16年10月から17年9月までのデータを使用)。パターン2(看護必要度:高、1日単価:低)に該当したのは「痙攣発作(てんかん)」と「単純頭部外傷」、「重症頭部外傷」だった。つまり、この3疾患が20年度改定以降に向けた当院の課題になる。
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