【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
■変革に強い院内環境をつくる
前回の「中小病院サバイバル時代にすべきこと(2)」では、自院の状況を再度検証することについて書かせていただきました。それぞれ病院が抱える問題について再認識し、病院運営について再考する機会になれば幸いです。私に来る相談の多くは、既に顕著な問題が発生し、理事長や経営層の運営に関する認識が旧態的で甘く、院内環境が凝り固まって容易に改善ができる環境ではない病院が多い傾向にあります。そのような病院は、私が見る限り、院内の雰囲気が悪く、設備への投資不足などが目立つので、患者の評判に影響します。特に中小病院は、患者が一定期間、入院滞在しており、外来中心のクリニックや公的病院に比べて厳しい評価を受けやすいことが特徴です。昨今の医療政策が頻繁に大きく舵を切っている現状も認識し、院長・事務長がリーダーシップを示して、変革に強い院内環境をつくりましょう。
■人事・労務管理は経営の最優先課題
一般的に病院コストの50%以上を占めているのは、人件費であり、多くの病院において、「人事・労務管理」は悩みの種です。昨今では、人材採用問題に加え、労働基準監督署による病院への立ち入り調査、是正勧告が相次いでおり、労務管理の緊迫度も増しています。そもそも、病院の人材不足は今に始まったことではありません。2011年の古い調査ですが、一般社団法人日本病院会が557病院に調査した内容では、医師は76.8%(428病院)、看護師は73.6%(410病院)が自院に不足していると回答しています。
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