応召義務について説明した三谷弁護士=写真左=（3日、厚生労働省）

　厚生労働省の研究班が応召義務の法的な解釈の整理に着手した背景には何があるのか。3日に開かれた「医師の働き方改革に関する検討会」では、研究班のメンバーが応召義務に関する通知・回答や労働時間を巡る課題などを示した。時間外労働の上限に達した医師については、病院から救急患者の診療を禁止される可能性があることに触れ、時間外労働の上限規制と応召義務の調整が必要としている。【新井哉】

■損害賠償責任、診療拒否の正当な事由が争点

　時間外労働上限規制と応召義務は衝突する―。研究班の三谷和歌子弁護士は、検討会の会合で、このような見立てを示した。医師法19条1項で規定されている応召義務は、診療に従事する医師に関して、診療治療の求めがあった場合は、正当な事由がなければ拒んではならないとしているが、時間外労働規制との兼ね合いが明確になっていないからだ。

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