病床機能報告の際、回復期機能の病棟であっても急性期機能と報告する―。こうした報告で「回復期機能を担う病床が大幅に不足している」といった誤解が生じているとの指摘を受け、厚生労働省は、病床機能報告の医療機能の選択に関して、地域の実情に応じた「定量的な基準」を導入するよう都道府県に通知した。2018年度の病床機能報告では、現場の状況に近い形で把握できるようになる見通しだ。【新井哉】
■都道府県医師会などの医療関係者と協議を
病床機能報告では、実際の病棟にはさまざまな患者が入院していることを踏まえ、最も多くの割合を占める病期の患者に提供する医療機能を報告することを基本としている。地域医療構想調整会議で議論を行う際、病床機能報告の基準となっている、▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―の各機能について、医療機関が医療機能を選択する際の基準としてではなく、医療機能や供給量を把握するための目安として活用している。
なぜ厚労省は「定量的な基準」の導入を進めようとしているのか。実際に高度急性期機能・急性期機能を提供していないにもかかわらず、急性期機能を提供していると報告するケースや、急性期や慢性期の機能を担うと報告された病棟でも、回復期の患者が一定数入院し、回復期の医療が提供されているケースがあるとの指摘があり、地域医療構想調整会議で地域の実態と異なる方向性が導き出される可能性があったからだ。
(残り878字 / 全1472字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】