【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
先日の中央社会保険医療協議会では、2018年度の機能評価係数IIが医療機関別に公表された。18年度診療報酬改定では暫定調整係数が廃止され、機能評価係数IIへの置き換えが完了したが、これによって機能評価係数IIが持つ意義はさらに強まるのではないか。
項目も8項目から従来の6項目に再整理され、後発医薬品係数は機能評価係数Iの後発医薬品使用体制加算となり、重症度係数は廃止された。激変緩和は、改定の翌年度のみ激変緩和係数が設定される。また、これまでカバー率係数は、専門病院等に配慮してIII群だけは下限値が設定されてきたが、これも他の係数と同様に廃止された。地域医療係数なども、よりシンプルなものにマイナーチェンジされた。また、かねてより議論されてきた機能評価係数IIの重み付けは、すべての医療機関群で実施されなかった。
今回は18年度診療報酬改定が、機能評価係数IIにどのような影響を与えたのか、重み付けが実施されなかったことで、どこで係数に差がつくのかをデータに基づき検証し、今後の医療政策における論点を整理する。
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次回配信は7月23日5:00の予定です
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