【久留米大学 特命教授(医療政策担当) 佐藤敏信】
前号で、私は、これまでの改定と異なっていると感じたことの一つに、薬価と調剤に改定の「財源」を求めようとしたことを挙げた。「医科には直接関係のない話」と思われる読者もいるかもしれないが、実は根底のところで関係する部分もある。また目先の損得以上に、次回以降の診療報酬改定で影響してくると思われる。その点も解説したい。
さて、連載3回目の末尾にこう書いていた。「~これまでのような⾨前調剤や⼤規模チェーンの狙い撃ちで決着するのかもしれない。しかし~業界全体に深刻な危機が訪れるということだ。財政審の資料が公表されて以来、~患者・国⺠もそれを知ってしまった。『学習した』患者・国⺠が今後どういう⾏動を取るかにも想像⼒を働かせるべきである」
そして、2月7日公表分のうち、具体的な調剤基本料の点数を見ると、やはり想像していた通りであり、3回目を掲載した昨年12月28日の段階から考えれば、想像を超えたとさえ言える。
中央社会保険医療協議会総会(2月7日)資料より
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