【株式会社メディサイト代表取締役 松村眞吾】
2018年度診療報酬改定の全体が、ほぼ明らかになった。本体部分は0.55%のプラス改定で、少し安心した経営者もいるかもしれない。ただし病院関係者、特に急性期病院にとっては厳しい対応が迫られる内容だ。このことは病診連携に大きな波を起こすのではないか。病院側が「何をなすべきか」に気付いていないかもしれない。あるいは「かかりつけ」機能を担う中小病院や診療所側が、状況を理解していないかもしれない。診療所の開業医でも、急性期入院評価の動向に注目すべきである。そういう改定である。
急性期入院評価から見てみよう。これまでは7対1看護配置と10対1看護配置の2段階、看護師の配置数で決まる体制評価だった。今般、急性期一般入院基本料として、体制評価に加え、診療実績を加味して評価するようになる。その結果、急性期病院関係者は、重症者に集中した入院医療の提供、在院日数のさらなる短縮、在宅移行の一層の促進を迫られる。急性期病床を減らしたい国の意向もある。急性期からの撤退を迫られる病院も出てくる。採るべき策ははっきりしているだろう。病床の稼働率を維持し、在宅移行を進めるためには、「かかりつけ」医療機関との連携を強化していくしかない。もはや外来は増やせないし、救急については、既にそれなりの手を打ってきているからだ。
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次回配信は3月15日5:00の予定です
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