【株式会社Work Shift 代表取締役 高木綾一】
1.急性期に求められる在宅復帰支援と早期リハの介入
2018年度診療報酬改定では、入院時の治療内容の説明や在宅復帰に向けた支援が評価された。入院に至る理由は緊急入院が多く、在宅復帰や在院日数短縮の阻害要因と指摘されている。そのため、国は可能な限り緊急入院以外の予定入院患者を増やし、在院日数短縮を図りたいと考えている。
このような背景から新設されたのが「入院時支援加算」だ。この加算は、初期の入院医療を担う急性期病院が入院前に患者の疾患やADLについてアセスメントし、入院医療の必要性の可否を検討し、入院を予定している患者には、積極的に治療内容を説明し、退院に向けて支援するよう求めている。これまでは、退院間際になって退院先を探し、退院後の生活に関する調整を行うのが一般的であったが、時間的な余裕がない退院支援では、退院後に疾患の再発、転倒、骨折、肺炎、介護の困難などが原因となり、再入院する事例も散見している。このような事例を防ぐには、入院時から時間的余裕を持って退院支援を行うことが重要であり、今後、急性期病院のセラピストにも入院初期からの患者の生活背景や介護力などをアセスメントしたり、退院に向けた後方連携を検討したりすることが求められるだろう。
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次回配信は3月8日5:00の予定です
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