【社会医療法人財団董仙会 本部情報部長 山野辺裕二】
東大医学部附属病院が2018年1月に更新した富士通製の電子カルテに関連して、外来患者の会計処理が正しく行われず、患者が長く待たされたり、後日の支払いを求められたりするといった混乱が起きたとの報道がありました。
最近では大学病院の電子カルテ更新時に、ベンダー企業を変更する事例も少なくありません。私は大学病院も含めて病院情報システムの全面更新にかかわった経験が何度かあり、10年前に同社の同じパッケージへのシステム更新も経験しています。当時でさえ、大きな混乱は起きなかったことから、「なぜ、日本を代表する大学病院で同一業者がつくるシステムの更新にもかかわらず、いまだに大きな混乱が起きるのか?」と驚かされました。
その後の報道で幾つかの原因が明らかになりましたが、時代が進んでも生じている人的要因を中心に、システム更新上で注意すべきポイントについて触れたいと思います。
参考までに、私が経験したシステム更新前後の作業工程表を例示します。
表1 週末に電子カルテの切り替えを行う場合の作業工程例(クリックで拡大)
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次回配信は3月30日5:00の予定です
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