【ファルメディコ株式会社 代表取締役社長 狭間研至】
先日2018年度調剤報酬改定の個別改定項目が発表されましたが、これを見て驚いたり、「一体何でこんなことが!?」と戸惑っている方も多いのではないかと思います。3つのポイントから改定を読み解きたいと思います。
ポイント1 「調剤薬局」には、国民が抱える課題の解決が求められる
国民皆保険制度は、世界に誇る社会保障制度であり、国民が広くその恩恵を受けています。安心して暮らすためには欠かせない制度で、保険料、一部負担金、税金といった「国民がNOと言えないお金」で運営されています。調剤報酬もこの一部ですが、国民が抱える問題を解決するために制度設計されていくのは間違いありません。
その一方で、1990年代後半から急速に進展した「門前薬局」の「計数調剤」に特化した姿に象徴される現在の薬局や薬剤師のあり方は、「医薬分業」制度の進展には貢献したものの、超高齢社会の中で社会問題化してきた「残薬」や「多剤併用」、それらに伴う「薬剤性有害事象」などの問題の解決には、有効なシステムではないことも明らかになっています。
公的なお金で支えられているにもかかわらず、国民が抱える問題をうまく解決できていないならば、制度そのものを変える必要があります。
18年度の調剤報酬改定は、2025年に向け、5万8千軒超の薬局と17万人の薬剤師という大きな社会資源が「医薬品の適正使用」「医療安全の確保」という使命を果たせるように変わっていく転機と考える必要があります。
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