地域包括ケア病棟協会(仲井培雄会長)が、来年春の診療・介護報酬の同時改定に向けた要望を発表した。在宅患者の緊急受け入れへのさらなる評価や、介護支援専門員(ケアマネジャー)との「超早期」からの情報共有の推進を求めている。また長期的には、患者の生活支援の必要性を簡単にアセスメントできる評価票をつくり、それを活用した医療のアウトカム評価の仕組みを導入する必要もあると主張している。【佐藤貴彦】
地域包括ケア病棟協会では、地域包括ケア病棟を持つ全国の病院を対象にアンケート調査を行うなどして制度上の課題を探り、解決策の提言をまとめた。提言は仲井会長が厚生労働省の担当者に24日伝え、同日開いた記者会見で公表した。
■緊急受け入れの評価を「より高く」
在宅患者の緊急時の受け入れは、地域包括ケア病棟に期待される役割の一つだが、急性期病棟で治療を終えた患者ばかりを受け入れるケースもあることが、厚労省の実態調査で分かっている。
会見で仲井会長は、自宅や施設で暮らす高齢者らの増加が見込まれる中で、そうした患者が急性増悪を起こした際に入院させ、在宅へ帰す機能が地域包括ケア病棟に強く求められると指摘。緊急時の受け入れでは医療資源の投入が特に必要になるため、より高く評価すべきだと訴えた。
来年春の診療報酬改定に向けては、中央社会保険医療協議会(中医協)で現在、地域包括ケア病棟への評価を見直し、実際にカバーしている機能と連動させる方向で議論が進んでいる。特に、患者の入棟前の居場所に焦点が当たり、自宅などから直接受け入れるケースへの評価を高くする案が浮上している。
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