全国の特別養護老人ホーム(特養)の4割超が2016年春に新卒者を採用せず、その割合は前年の採用時よりも1割近く増えたとする調査結果を福祉医療機構が公表した。また、14年春から3年連続で新卒者の採用実績がなかった特養は2割近くあり、各施設での新卒者の確保が難しい状況が浮き彫りになった。同機構では、採用活動の効果的な方法も調査・分析した。【松村秀士】
公取が提案する介護のカタチ(上)(2016/12/07)
特養、年末には黒字と赤字が拮抗か(2016/10/12)
調査は今年7月から8月にかけて、同機構が資金を貸し付けている全国の特養3365施設を対象に介護人材に関するアンケート調査を実施。770施設から有効回答を得た。
16年春の新卒者の採用については、312施設(40.5%)が「なし」と回答し、15年春に採用しなかった248施設(32.2%)よりも、約1割増えた。また、14年春から16年春まで3年続けて新卒者の採用を見送った特養は124施設(16.1%)あった。
新卒者らの人員の確保が難しい理由としては、「地域に(競合相手となる)介護施設や事業者が増加」「他業種と比較して待遇面で劣っている」「地域での評判がよくない」「(施設内の)人間関係がよくない」「土日・シフト勤務や夜勤などの不規則勤務を敬遠」といった意見が寄せられた。
■就職課などの学校訪問が最も有効
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