文部科学省の国立大学附属病院施設の防災機能強化に関する検討会が、熊本地震で得られた教訓や課題などを盛り込んだ報告書案をまとめた。熊本大医学部附属病院への水・ガスの供給が停止し、一時的に医療の継続が困難な状況に陥ったことを踏まえ、雨水利用設備の採用や配管の耐震化を図る必要性を提示。免震構造の建物内では医療機器の転倒が見られなかったため、「施設の免震化は有効な手法」としている。【新井哉】
検討会は、災害時に拠点病院となる国立大附属病院の防災・減災機能の充実を打ち出した国土強靭化基本計画を受け、文科省が昨年7月に立ち上げたもので、「災害に強い病院」を目指し、BCP(事業継続計画)や医療ガスの備蓄に取り組む名古屋大医学部附属病院などの「先進事例」の検証や集積を行ってきた。
当初は今年6月をめどに報告書案をまとめる予定だったが、4月の熊本地震を受け、熊本大医学部附属病院の被災状況に加え、医療継続のための取り組みや教訓を盛り込み、防災機能強化に向けた提言に具体性を持たせた。
【熊本地震:被災病院からのリポート】
今も入院休止、損壊した災害拠点病院-熊本市民病院①
「この病院がなくなりませんように」-熊本市民病院②
震災後の厳しい収入シミュレーション-くまもと森都総合病院
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