【医療法人創起会くまもと森都総合病院 事務部医事総務部門 医事担当 大嶋悠一】
くまもと森都総合病院は熊本市中央区に立地する199床の中規模病院である。1922(大正11)年に逓信省の診療所として発足、後にNTTへ移管し、2011年からは医療法人が経営を引き継いだ。7対1入院基本料を算定する急性期総合病院として、地域医療を支えている。
■前震から本震まで
4月14日木曜日午後9時26分、その時は突然来た。熊本県に最大震度7(マグニチュード6.5)の地震が起こった(前震)。
当院の院内規定では、震度5以上の地震が起きた場合、職員は全員集まらなくてはならない。しかし、これが院内でも周知されておらず、すべての職員が集合することはできなかった(規定を知っていた者・自己判断で来院した者が主に集合した)。
集合した職員で分担し、まず院内の危険個所のチェックを行ったが、建物自体に大きな損傷はなく、病棟も問題が見られなかったため、入院患者は病棟にそのまま待機とした。
午後11時、災害後の救急患者が来院することを想定し、1階ロビーをトリアージ用に体制を整え、被災患者の来院を待った。しかし、翌15日金曜日午前2時までの時点で、被災来院患者は1人のみだったので、翌朝までにそれほど多くの患者は来院しないだろうと判断。夜勤者以外はいったん解散し、事務職員も万が一のために数人が病院に残って、緊急時の対応を取るという形とした。
一夜明けた15日はシステム上の問題もなく、通常通りの診療を行うことができた。
しかし、16日土曜日午前1時25分、再び最大震度7(マグニチュード7.3)の地震が起きた(本震)。
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