「断らない医療」を基本理念に掲げ、年間約1万件の救急搬送を受け入れている「川崎幸病院」(川崎市、一般326床)。4月の診療報酬改定では、救急医療関連の点数の要件が緩和されたり、報酬が引き上げになったりと、病院側のこれまでの取り組みが評価される形となった。報酬が3倍に跳ね上がった「夜間休日救急搬送医学管理料」だけでも、月200万円近くの増収につながる見通しだ。【敦賀陽平】
こうした中、プラスとなったのが救急医療関連の点数の引き上げだった。今回の改定では、「救急医療管理加算2」の報酬が100点下がる一方、同加算1は100点の増額となり、緊急カテーテル治療・検査とt-PA療法(血栓溶解療法)の患者も新たに対象に加わった =表= 。
また、「夜間休日救急搬送医学管理料」については、診療報酬が改定前の3倍に当たる600点に増えるとともに、平日に算定できる時間帯が「深夜」(午後10時から午前6時まで)から「深夜・夜間」(午後6時から午前8時まで)に広がった。
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■夜間救急搬送管理料、7月実績は450件
川崎幸病院は、救急医療管理加算1の対象患者が大半を占め、7月の実績を見ても、同加算1だけで1100万円を超える =グラフ= 。改定後の4-7月と昨年度の実績を比較すると、1カ月当たりの算定件数に増加は見られなかったものの、同加算2を合わせた報酬額は約70万円(7.3%)の増収となった。改定後に患者対象が広がったこともプラスに働いたという。
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