春の診療報酬改定から4カ月余り―。医療機関はこの間、新設された項目を届け出たり、厳しくなった施設基準を満たしたり、国の制度変更への対応に追われた。2018年度に診療・介護報酬の同時改定が待ち構える中、早い段階で布石を打っておくことが重要だ。14年度改定後の経年変化を見ることで、今後の経営戦略を考える上でのヒントを探る。 |
仁和会総合病院は昨年春の段階で、一般病棟(7対1)が86床(2病棟)、介護療養病棟が71床(2病棟)の病棟構成だった。しかし、同年4月の介護報酬改定に伴い、医療ニーズが高い患者への対応などを評価する「療養機能強化型」が新設されると、介護療養病棟の1病棟(35床)でそれを届け出る一方、残る1病棟を医療療養病棟に切り替える。
こうした改革は、今後の診療報酬改定を見据えてのことだった。14年度の改定では、看護必要度のA項目から「血圧測定」「喀痰吸引」などが削除され、事実上、重症患者の基準が厳しくなった。当時、同病院の重症患者の割合は20%前後。7対1の要件の「15%以上」はクリアしていたものの、要件のさらなる厳格化に備え、病院側が用意した“次の一手”が医療療養病棟の新設だった。
【追跡! 14年度改定後の経営戦略シリーズ】
(2)後発品シェア7割を1年で実現した川口方式
(3)回リハの質は人材育成で高める
(4)紹介率が急上昇、地域支援病院に王手
(5) ADL加算の報酬増、先手の届け出が奏効
(6)「断らない医療」の評価で大幅増収も
(残り1624字 / 全2448字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】