回復期リハビリテーション病棟への常勤の医師・社会福祉士の専従配置を評価する「体制強化加算」が創設された2014年度診療報酬改定。リハの質を高めるために専門職の手厚い配置が欠かせないと考える「会田記念リハビリテーション病院」(178床、茨城県守谷市)では同改定前から病棟ごとの担当者を配置しており、すぐに同加算を届け出た。今年4月の改定で、効率的なアウトカムの改善を促す仕組みが同病棟の入院料に導入されたことなどから、リハの評価基準は “量から質”への転換が進むと予想されるが、求められるのは今後も職員の質を高める努力だと同病院は考えている。【佐藤貴彦】
16年度改定の足音…それぞれの選択(4)-回リハで稼働率のジレンマ、対策講じる
4月の改定で「回復期リハビリテーション病棟入院料」に導入された仕組みは、入棟中のリハの成果を測る指標を設け、一定の基準に満たない状態が続く病院にペナルティーを科すもの。具体的には、患者のFIM運動項目点数の入棟時と退棟時との差を基に算出した「実績指数」が低い状態が続くと、同入院料と併算定できる「疾患別リハビリテーション」の単位数に制限がかかる。
患者の入棟日数が同入院料の算定上限日数と比べて短いと、同指数が高く補正されるため、リハの効率性も問われる。各病院は来年1月から、同指数を3カ月ごとに報告することになっており、4月にはペナルティーの対象病院が現われる可能性もある。
■「思った以上に厳しい」アウトカム評価
会田記念リハビリテーション病院では、3棟(計119床)で同入院料の1と2を算定。手厚い疾患別リハの提供を評価する「リハビリテーション充実加算」も届け出ている。
4月の改定後、「運動器リハビリテーション料(Ⅰ)」の点数引き上げで増収したものの、「維持期リハビリテーション」の減算率の引き上げによる減収で相殺された。同改定の影響は、今のところほとんどないという。
しかし、大幅な減収を懸念させる「悩みの種」もある。実績指数に基づくペナルティーだ。
ADLスコアの改善幅は高いと自負してきた同病院だが、過去のデータで実績指数を試算した時のことを、増山正義事務次長は「思った以上に厳しいことが分かった」と振り返る。ネックは入棟日数の長さだった。
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