地域包括ケア病棟の新設からこの春で丸2年を迎えました。現在、同病棟(病室)を持つ病院の数は全国で約1500施設に上ります。4月の診療報酬改定では、手術と麻酔の費用が出来高払いとなり、今後、施設数はさらに増えることが予想されます。病棟運営の現状や今後の課題を取材しました。 |
茨城医療センターは12年12月、診療報酬の不正請求で保険医療機関の指定取り消し処分を受けた。翌年3月に再指定されたものの、ベッドの数を389床に減らすなど、規模を縮小しての再出発となった。
同センターは整形外科が強く、もともと回復期リハビリテーション病棟(40床)を持っていた。だが、同病棟の医師が退職し、施設基準を維持できなくなったため、7対1病棟への転換を余儀なくされる。こうした中、14年度の診療報酬改定では、7対1病棟の患者の退院先に関する要件が新たに加わり、自宅などへの退院(転棟)の割合が全体の「75%以上」とする基準を満たさなければならなくなった。
一方、阿見町のある「取手・竜ヶ崎医療圏」は、急性期後の患者を受け入れる後方病院の数が少なく、同センターでも、家庭の事情などで引き受け先が見つからない「社会的入院」が経営を圧迫していた。こうした背景から、同センターは14年秋に「地域包括ケア病棟入院料1」を届け出ることになった。
「当院には訪問看護ステーションがあるので、在宅と急性期の間を取り持つ地域包括ケア病棟を入れて、地域包括ケアシステムを推進したいという思いもありました」。醍醐氏はこう話す。
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