先月、日本介護福祉士会の会長が交代した。新たな会長に就任したのは熊本県介護福祉士会の会長を務めてきた石本淳也氏。就任時の年齢(44歳)は、歴代の会長の中でも最年少だ。その石本新会長は、目指すべき方向性として「介護福祉士の専門性を高めること。そして、かっこいい職種にすること」と語る。【聞き手・ただ正芳】
■目指すは「あこがれの職種・介護福祉士」
―会長の言うところの、かっこよさとは具体的に何を意味しますか。
当然ですが、見た目のことではありません。かっこいいを言い換えるなら、「子どもたちがあこがれ、なりたいと思う職種にしたい」ということになります。例えば、子どもがなりたい職種ランキングで、せめて10位以内に介護福祉士が顔を出すような状況になればいいなあ、と思っています。
それが実現できれば、介護福祉士を目指す人は、重労働でつらいといわれる業務にも、面倒な座学にも、前向きに取り組むことができるはずです。
―重労働のつらさも、座学の面倒さも、あこがれの職種になったからといって変わるわけではないと思います。
確かにその通りです。でも、あこがれの職種になることで、そうしたつらさや面倒さにも耐え得る人がぐんと増えると思うのです。
考えてみてください。既にあこがれの職種の一つといえる看護師を目指す人のうち、看護学校での勉強や実習が嫌だと言って逃げ出す人は、どのくらいいるでしょうか。さらに言うなら、プロ野球選手を目指したいと言う人の中に、ランニングやノックを拒絶する人が、どのくらいいるでしょうか。
―なるほど。ならば、あこがれの職種にするために、どんな取り組みが必要ですか。
例えば、SNSをもっと積極的に活用し、介護福祉士としての活動の魅力を発信していくことなどが考えられるでしょう。具体的には今後の検討ということになるでしょうが、特に私よりも若い世代の共感を得るためには、ある程度の「演出」も必要ではないか、と思っています。
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