勤務環境の改善に積極的に取り組んでいる聖ルチア病院(福岡県久留米市、精神263床)。それは、精神医療をめぐる変化の波を勝ち残るための人材戦略でもあります。前回まで、院内の勤務改善委員会「はなまる委員会」から、その取り組みを報告してもらいました。今回は経営トップの考え方をリポートします。【構成・烏美紀子】
「はなまる委員会」活動開始!-目指せ!“はなまる”の勤務環境(1)
職員が自ら工夫して得る「働きやすさ」-目指せ!“はなまる”の勤務環境(2)
■“異分子”が混じるピンクダイヤモンドの価値を
「わずかに窒素が混じったピンクダイヤモンドは、無色透明の純粋なダイヤモンドより価値が高い。異質な要素が入ることで、特別な強みを持てるということですよね」
こう話す大治太郎理事長は、もともと小児科医として、北九州市の産業医科大病院・新生児集中治療室(NICU)に勤務していた人物。精神科病院のトップとしては、いわば“異質”と言える。親族の縁で1994年、聖ルチア病院に招かれ、2006年に院長に就任。さまざまな業務改革を進め、収益は右肩上がりを続けてきた。
■より高度に専門的に―生き残るための体質改善
厚生労働省によると、近年、精神科病院の数は減少傾向が続き、さらに、その病床数、病床利用率もともに減っている。地域への移行促進など、精神科医療をめぐるニーズは大きく変化しており、経営環境にも大きな影響を及ぼしている中、精神科病院には、「より高度に、より専門的に」という方向性が求められている。
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