サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や介護付き有料老人ホーム、定期巡回・随時対応サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護、24時間訪問サービス)などの運営を手掛けるメッセージの橋本俊明会長は18日の決算説明会で、今年から新たに取り組んでいる24時間訪問サービスをベースとした「Zアミーユ」について、今後3年間で150か所の開設を目指す方針を示した。また、系列会社が運営する有料老人ホームで入居者への虐待などが相次いだことを受け、12月上旬には具体的な対策を取りまとめて発表する方針であることも明らかにした。【ただ正芳】
経営に相乗効果、新たな資源を掘り起こせ(2015/11/17)
現在、「Zアミーユ」の事業所は、東京都の杉並区・新宿区・世田谷区で運営されており、10月末段階の利用者数は97人となっている。今後の「Zアミーユ」の展開について、橋本会長は「事業所から約1キロ圏内を営業エリアとし、東京23区を面でカバーする」と指摘。今年中に10か所、今後3年間で150か所の事業所を立ち上げる方針を示した。 ■16年3月期中間決算は増収・増益 この日は2016年3月期の中間決算も示された。それによると、売上高は前年同期比2.4%増の402億1000万円、営業利益は同22.2%増の43億800万円の増収・増益となった。サ高住の既存施設の入居率が向上したことなどが業績をけん引した。16年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比2.6%増の810億円、営業利益が同3.4%増の76億円と期初予想を据え置いた。 ■虐待の原因、「本社の関与の不十分さが原因」 橋本会長は説明会の冒頭で、系列会社が運営する有料老人ホームで、入居者への虐待などが相次いだ点を謝罪した上で、10月に虐待の背景の究明や業務管理体制の課題などを洗い出すため、第三者委員会を設置したことを改めて説明した。さらに第三者調査委員会の報告や厚生労働省などからの業務改善勧告などに基づき、12月上旬には、虐待の再発防止を目指した具体的対策を発表する方針も示した。会見で一連の事件の背景や原因について質問を受けた橋本会長は、個人的な見解とした上で、各施設の管理運営に対し、本社が十分に関与しなかったことが原因として考えられると述べた。
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