安倍晋三首相は24日に記者会見を開き、団塊世代がすべて70歳以上になる2020年までに、介護離職がない社会の実現を目指す方針を打ち出した。その方策として、不足している介護施設を増やすことなどに意欲を示した。【佐藤貴彦、丸山紀一朗】
療養病床検討会に「院内施設」の案提示(2015/09/09)
16年度改定で病床はどう動く?(下)(2015/09/18)
同日の自民党両院議員総会で、安倍首相の総裁への再任が正式に決まった。総会後の会見で安倍首相は、任期中に取り組む新たな「三本の矢」や、それによって「一億総活躍社会」をつくり上げる考えを表明した。
新たな「三本の矢」は「希望を生み出す強い経済」と「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」。このうち社会保障に関しては、団塊世代の子どもなどが、親の介護を理由に大量に離職すれば、経済に大きな打撃を与え、社会保障制度を支える財政的な基盤に影響を及ぼしかねないと強調。介護施設の整備や介護人材の育成を進めて、在宅介護の負担軽減を図るとした。
特に介護施設の整備をめぐっては、現状では都市部などで介護施設が不足しているほか、在宅介護への十分な支援が難しい地域があるとし、「施設を用意していく必要がある」と指摘した。
また、高齢になっても元気に働き続けられる生涯現役社会の構築も目指し、医療制度の重点を予防に移すほか、企業による健康経営や健康投資を促す仕組みを設けるとした。
三本の矢のうち、子育て支援に関しては、不妊治療を受ける人に対する支援などで、子どもが欲しいと考える人を増やし、「少子化の流れに終止符を打つ」と意気込んだ。
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