2016年度診療報酬改定に向けて議論する中央社会保険医療協議会の小委員会は9日の会合で、入院医療に関する医療機関の実態調査の分析結果の報告を受けた。小委の委員からは、在宅復帰を促す現行の実績要件の見直しを提案しているように読み取れるとして厳しく批判する声が上がった。要件が変更されれば病院間の患者の流れに大きく影響するためで、今後の中医協での議論が注目を集めそうだ。【佐藤貴彦】
調査結果は、診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」が分析して取りまとめた。
この中で、一般病棟7対1入院基本料(7対1)や地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰率の要件について、現在は自宅や居住系介護施設以外に移った退院患者の一部が、在宅復帰した患者としてカウントできるルールになっていると指摘。具体的には、退院後にいわゆる在宅強化型の介護老人保健施設(老健)に入所した患者などがその対象だが、調査の結果、7対1を算定する病院では、そうした患者を含む在宅復帰率が9割を超える所が多く見られ、実際に自宅へ帰った患者の割合との間に差が生じているとした。
16年度改定で病床はどう動く?(上)-7対1、看護必要度の見直しが焦点
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