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森田前会長が語る、中医協の未来(2015/06/24)
【6月24日の中医協】
森田・前中医協会長の退任あいさつ全文
薬歴未記載薬局「保険から退場」
費用対効果、再算定が「現実的」
療養型と合併後もDPC継続可に
エダラボン、在宅注射薬の対象に
改定の検証で初のNDB活用へ
森田前会長は14日に任期が満了したため、24日の総会に招かれる形で出席し、退任あいさつをした。森田前会長は、東日本大震災直後の2011年4月に会長に就任し、会長として初めて臨んだ12年度の診療報酬改定が介護報酬改定と同時だったことや、続く14年度の改定が消費税率の8%への引き上げのタイミングだったことを振り返った。 あいさつの内容に物言いが付けられたのは、森田前会長があいさつを終えて拍手で送られ、その後に総会の議事が始まり、田辺国昭委員(東大大学院教授)が支払側・診療側、それぞれの委員の推薦により会長に選出され、部会の委員などが相次いで決まり、新体制で議論がスタートしようとするところだった。 中川委員は、いの一番で田辺会長に対して発言の機会を求め、「一つ確認をしたい。先ほど、森田前会長から、退任あいさつの域を越えた発言があった。任期を終えて、次の診療報酬改定にまで言及し、ほかの中医協委員と同等の発言として議事録に残るのは違和感がある」と述べた。 中川委員が指摘したのは、森田前会長が16年度の診療報酬改定について、「増加する(医療)ニーズに対して、効率化を進めて必要なところに必要な手当てをすることが重要になる。これは私の印象だが、この情勢の中で、今までのような形で診療報酬の改定を続けていくことができるかどうかはだんだん難しくなってきている」とコメントした上で、16年度から試行的に導入される費用対効果評価などへの期待を示したからだ。 森田前会長のあいさつの取り扱いについて事務局は、「あくまでも森田前会長が、気持ちを述べたもので、あいさつの範囲で特に問題ない」と説明し、その場を収めた。総会終了後に中川委員はキャリアブレインの取材に対し、「森田前会長のあいさつは、踏み込み過ぎ。まるで財務省の意見を聞いたようだった。前会長の個人的な意見であることをはっきりさせるために、総会の中であえて意見した」と述べ、憤まんやる方ない様子だった。
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