10月の医療事故調査制度（事故調）のスタートに向けて医療機関は今後、事故が起きた際に院内で原因究明の調査をする体制の整備が必要だ。医師で弁護士の、帝京大医療共通教育研究センターの大滝恭弘准教授は、事故調は医療安全の制度であり、責任追及を予定していないため、院内調査を含め、いかに刑事介入を回避して進めるかが鍵になると話す。制度開始まで半年余り。医療従事者が安心して能力を発揮するために、病院長など管理者の責任は重い。【君塚靖】

　事故調を規定する医療法6条11には、「病院等の管理者は、医療事故が発生した場合には、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査を行わなければならない」としており、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」の議論を経て、厚労省は省令で調査方法を定め、通知で「この制度の目的は医療安全であり、個人の責任を追及するためのものではない」とし、「調査では当該医療従事者を除外しないこと」と明示する方向だ。

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