患者の楽しみは三度の食事―。ただ、栄養補給を優先して味を軽視し、患者から「まずい病院食」と烙印を押されるケースも少なくない。こうした病院食の改善方法や、栄養部門のマネジメントを紹介するセミナーが28日、東京ビッグサイトで開催されたメディケアフーズ展であった。どの医療機関でも「おいしい病院食」の提供は可能なのか。うまみの出る食材を使うなど簡単な工夫で患者の満足度が違ってくるようだ。【新井哉】
「全体は薄味でも、一品だけ普通の味付けにするだけで、食べた時の満足感は違ってくる」。“日本一うまい病院食”を目指しているキッコーマン総合病院(千葉県野田市)の久保田芳郎院長は、会場に詰め掛けた医療機関の栄養部門の関係者らに、こう訴えた。
食品メーカーを経営母体とする同病院は、院内で提供する食事の改善だけでなく、昨年には同病院が監修したレシピ本を出版するなど、病院食作りで培った減塩などのノウハウを広めている。
「まずい」という問題点を解決する方法はあるのか―。久保田院長は、病院食がまずいと思われる要素として「味の軽視」を指摘。栄養補給の手段として病院食を位置付け、味を軽視していると、患者の食欲の低下につながる可能性があるとした。
■誤嚥と味付けの関係は?
また、高齢者に多い誤嚥についても言及した。
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