厚生労働省は、先月に公布された建築基準法改正で、容積率に関する規制が緩和され、特別養護老人ホーム（特養）などで地下室が設置しやすくなることを紹介した事務連絡を、都道府県や市区町村にあてて発出した。【ただ正芳】

　容積率は、土地の広さに対し、どの程度の床面積の建物が建てられるかを示す数字。通常、地下室の面積やエレベーターの昇降路分の面積は、延べ床面積の算定対象となっているため、地下室やエレベーターを設置すると、その分だけ居住スペースや共用スペースの設置が制限される。
　
　先月4日に公布された建築基準法改正では、高齢者向け施設のより一層の普及を図るため、「延べ床面積の合計3分の１までの広さの地下室であれば、容積率算定の対象外」と「エレベーターの昇降路分の床面積は容積率算定には含めない」とする特例の対象に、特養や有料老人ホームなどを含めることが盛り込まれた。 　事務連絡では「従来は機械室などが設置されていたスペースを地下に移すことで、地上部分の居住スペースを広げることができる」としている。 　エレベーターの昇降路部分に関する特例は1日に施行されている。また、地下室に関する特例の施行は、建築基準法改正の公布日から1年以内を予定している。

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