厚生労働省は28日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)に、介護報酬改定に向けた議論のスケジュールを提案した。案では、12月中旬には、基本的な考え方の整理と取りまとめを行うとしている。同分科会では、この案を了承。来年4月の介護報酬改定に向けた議論がスタートした。【ただ正芳、真田悠司】
この日は、介護報酬改定全体を見据えたフリーディスカッションも行われた。村上勝彦委員(全国老人福祉施設協議会副会長)は、介護職員処遇改善加算について「継続的発展が必要」と指摘。内田千惠子委員(日本介護福祉士会副会長)らも、同様の意見を述べた。 一方、堀田聰子委員(労働政策研究・研修機構研究員)は「(介護職員処遇改善加算を)どういう正義に基づいてやっていくのか」と指摘。ほかにも処遇改善が必要な職業があるなかで、介護に対する政策的な措置を継続させるなら、明確な根拠を示す必要があると述べた。 武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は、2014年度の診療報酬改定が在宅復帰を積極的に進める内容となったことを受け、「例えば、特別養護老人ホームの要介護3や2の入居者が、要介護2や1に状態が改善したら、在宅復帰を考えてもいいのではないか」と言及。介護保険制度においても、在宅復帰を意識した施策を考える必要があると主張した。 また、山際淳委員(民間介護事業推進委員会代表委員)は、規模の小さな通所介護事業所の指定権者を都道府県から市町村に移行するなどの方針が固まっていることを受け、「複雑な構造となることを前提に丁寧な議論が必要」と述べた。
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