2012年度診療報酬改定に向け、中央社会保険医療協議会(中医協)は具体的な点数配分をめぐる議論を1月から始める。その基になるのが、昨年12月21日に決まった改定率(全体でプラス0.004%)と、社会保障審議会の医療部会と医療保険部会が決めた診療報酬改定の基本方針。医療従事者の負担軽減などを重点課題として打ち出した基本方針には、どんなメッセージが込められているのか―。医療部会の齋藤英彦部会長に聞いた。(高崎慎也)
基本方針は、▽基本的な考え方▽2つの重点課題と4つの視点▽将来を見据えた課題―の3段構成。重点課題には、「病院勤務医など負担の大きな医療従事者の負担軽減」と、「医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携体制の強化の推進および地域生活を支える在宅医療などの充実」の2つを掲げた。負担軽減の対象は、前回10年度改定の基本方針では「病院勤務医」だったが、今回は「負担の大きな医療従事者」に拡大。また、医療と介護の役割分担や連携の強化は、新たに重点課題として挙がった。
―医療と介護の役割分担や連携の強化が、新たに重点課題に位置付けられました。
介護報酬との同時改定となる12年度の診療報酬改定では、医療と介護の役割分担が重要なテーマの一つです。医療部会でも、医療提供体制の機能分化と連携を議論しています。その目標は、急性期、慢性期、リハビリテーション、在宅医療までを一連の流れとして提供する体制の構築です。
―負担軽減の対象の「病院勤務医など」の「など」とは。
医師以外の職種、具体的には看護師に対象を拡大したと解釈していいと思います。
在宅医療や訪問看護は、看護師がいないと成り立ちません。しかし、現状では看護師の数が足りません。彼らのワークライフバランスを考え、離職を防がなければならないでしょう。
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