大学卒業後に特定の地域や診療科の診療に従事することが義務付けられる医学部定員の地域枠について、全国医学部長病院長会議による調査の一貫として行われた意見交換会では、地域枠から離脱し、美容医療をはじめとする保険外診療へ流れる傾向を懸念する声が聞かれた。【渕本稔】
調査は、地域枠制度がある70大学へのアンケートと、2022年度に入学者の募集を停止した1大学を除く69大学に地域枠で入学した学生の追跡調査の2本立て。
それらのうち、追跡調査の結果によると、13-22年度の医師国家試験に合格した計8,457人の85.9%(6,754人)が卒業後に地域枠の義務を履行していた。
卒業者の初期研修修了後の勤務先は、出身大学と同じ都道府県内の大学病院(出身大学の附属病院含む)が35.9%、中核病院が51.8%、中小医療機関が9.4%で、出身大学と異なる都道府県の医療機関は1.9%だった。
医師不足でない地域での勤務が68.6%と多く、
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