アルツハイマー病に対する初の疾患修飾薬として米国で世界初承認を受けたAduhelm(一般名アデュカヌマブ、バイオジェン=エーザイ)は、日本でも承認審査中で年内に結果が出る見込みだ。日本医師会総合政策研究機構のリサーチレポートは、抗体薬で高額であり、米国薬価を円換算すると年間610万円となり、対象患者の1割の使用でも5兆円に達するとして、「国民皆保険制度の持続可能性にも配慮した適応や投与基準、薬価を設定する必要がある」と、問題提起した。【ライター 設楽幸雄】
アデュカヌマブは、モノクローナル抗体で、アルツハイマー病の病態生理学的特徴である脳内のアミロイドベータ(Aβ)プラークを減少させたことが臨床試験で確認され、米国食品医薬品局(FDA)が6月7日に迅速承認した。
適応症はアルツハイマー病(AD)で、治療は、ADによる軽度認知障害(MCI)または軽度認知症から開始することとされている。
日本では承認審査中(2020年12月承認申請)で、日医総研リサーチレポートは、今後発表される臨床試験の結果として有効性と安全性が確認されれば、日本でも時期を置かずに承認される可能性が高いとみている。日本の新薬承認制度は、申請から1年以内の承認を目標としている。
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