PhRMA(米国研究製薬工業協会)在日執行委員会のクリス・フウリガン委員長(ヤンセンファーマ社長)は19日記者会見し、薬価改定による社会保障予算の削減額が5年間で5096億円に達したことを挙げて「薬価改定に依存した社会保障費の抑制は持続不可能」と指摘、また、最近の3回の薬価制度改革で50項目を上回る変更があったとし、会員企業が今後も投資を継続するためには「長期的な視点で予見可能な制度にすべき」との考えを示した。【ライター 設楽幸雄】
日本の国家予算は高齢化により増大する社会保障関係費の抑制が毎年の課題となっている。既存制度をベースにして夏に策定する次年度予算の概算要求に対し、年末の予算編成では制度改革などにより増加分を一定規模削減することが行われている。削減の中心となっているのが、薬価制度改革だ。
フウリガン委員長は、薬価関連の削減額について、2016年度1749億円、17年度196億円、18年度1766億円、19年度290億円、20年度1095億円、合計5096億円となり、社会保障費全体の削減額の75%に相当することを挙げ、こうした薬価改定に依存した抑制は持続不可能とするとともに、「社会保障制度全体を見渡した改革が必要」だと訴えた。
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