【一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事 丸山法子】
医療・介護人材の確保は自治体としても悩みですが、事業者と共に汗をかいてくれるものでしょうか。先日、ある県の介護保険担当職員と介護人材について話していた時のことです。「介護人材が確保できなくて困っているが、自治体としてどう考えているか」と聞くと、「その話は…」と口ごもるのです。よほど深刻なのだ、言葉にするのが重圧なのか、と思いきや、「それより介護事業所から経営支援をしてほしいという要望が増えたよ」と言うのです。経営支援? なぜ?
その理由は、「高齢者プラン」にあります。将来の医療・介護の必要度を推計し、それをカバーできるサービスの数的指標が示されます。もちろん、そこには人材数の推計値も書かれています。計画に掲載されているのであれば、確保の責任は自治体にあると自ら宣言しているようなものです。そこまで示すなら、有効な人材の獲得方法と育て方を教えてほしいと事業所が思うのは当然です。しかし、何人かの行政職員に確保について話を聞くと、「それは事業所の仕事だ」と返ってきます。こうした背景から、経営支援の要望が押し寄せるのだそうです。行政職員が介護事業所の経営支援をできればいいのですが、いかがでしょうか?
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