【小濱介護経営事務所代表 小濱道博】
2018年度介護報酬改定に関する審議報告が12月13日に社会保障審議会の介護給付費分科会で承認され、その審議を終えた。介護報酬の改定率はプラスの0.54%となる。12年度以来のプラス改定である。しかし、実態は、基本報酬が引き下げられる傾向は変わらず、加算の算定の可否で収入が左右される。今後は、さらに加算の算定の有無で収入格差が拡大して二極化が進行する。今回は審議報告から主要サービスの改定の方向とそこから読み取れる今後の介護経営について考察する。
今回の介護報酬改定の大きな特徴はピンポイントでの報酬の引き下げと原点回帰であろう。前回の改定で財務省は、6%の引き下げを迫っていた。その理由が、一般の中小企業の収支差率が2%台であるのに、介護事業全体の収支差率が8%であったことにあった。しかし、17年度の経営実態調査結果で介護事業全体の収支差率は3.3%となり、中小企業の収支差率が2.6%であったことから、従来型のサービス単位全体での引き下げの余地がなくなった。
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