2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向け、財務省などから報酬削減すべきサービスの一つと目されているのが生活援助を中心にサービスを提供する訪問介護だ。5日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)では、厚生労働省からも生活援助中心の訪問介護について、報酬削減を視野に入れた論点が示された。これに対し理解を示す委員もいたが、多くの委員は、「生活援助と身体介護は切り離して考えることはできない」などと異論を唱えた。【ただ正芳】
訪問介護は、訪問介護員らが利用者の自宅などを訪れ、介護や生活を維持する上で不可欠な家事を提供するサービス。介護報酬上の区分では、入浴や排せつ、食事などの身体介護を中心とするものと、調理や洗濯など生活援助を中心とするものなどの3類型に分けられている。
訪問介護の事業所数は約3万3000カ所、利用者数は約98万人(いずれも昨年4月審査分)となっている。
訪問介護員となれるのは介護福祉士や実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者に加え、旧介護職員基礎研修修了者や旧訪問介護員1級課程や同2級課程修了者。ただし、60歳以上の人が3割余りを占めるなど、その年齢は他の介護関係職種に比べても高い傾向がある。
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