先週の21日に行われた社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)では、通所リハビリテーションに関する議論も始まった。今後、通所リハビリについては、短時間サービスの充実と医療との連携強化を前提とした議論が進められる見通しだ。【ただ正芳】
通所リハビリは、自宅などで生活する人が介護老人保健施設や病院、診療所などに通い、リハビリテーションを受けるサービス。全国の事業所数は7511カ所、利用者数は約56.1万人となっている(いずれも2016年4月審査分)。
厚生労働省は、現在の通所リハビリの課題として、2年以上継続して利用した人が37.0%いる上、長期目標を達成した後のサービス移行の予定として「通所リハビリの継続」を挙げる人が最も多いなど、サービスから“卒業”できないままの人が多いことを挙げた。
また、退院から14日未満でリハビリの利用を開始すると機能回復を期待できるにもかかわらず、実際にはサービス利用を開始するまで2週間以上かかった人が44.2%、4週間以上かかった人が34.6%いる点も課題に挙げた。質の高いサービス提供を目指し、15年度の介護報酬改定で創設された「リハビリテーションマネジメント加算(II)」を届け出る事業所が、「医師の会議への参加が困難」などの理由から37.7%にとどまっている点も課題とされた。
さらに医療保険の脳血管疾患等リハビリを受けている患者の7%(1.2万人)と運動器リハビリを受けている患者の2%(2.6万人)が18年4月から介護保険のリハビリに移行することが想定されている点や、社会保障審議会介護保険部会で通所介護との役割分担が必要とされている点も課題として指摘された。
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