社会保障審議会介護給付費分科会が4月26日に開催された。ここから12月中旬まで、2018年度の介護報酬改定に向けた審議が続く。
周知の通り、18年度は6年に一度の介護報酬と診療報酬の同時改定の年だ。そして同時改定の際には、大きな変革がもたらされるのが通例である。例えば12年度改定では、地域包括ケアシステムが本格的に稼働し、医療・介護の連携も進められた。認知症対応、重度者対応、看取り、機能訓練の強化などがキーワードとしてクローズアップされたのもこの時だった。06年度改定では、介護サービスの質の向上が打ち出され、それ以降のサービスの概念が大きく変わった。具体的には介護予防サービスが導入され、リハビリが促進された。
■どう考えても厳しい削減が待ち受ける18年度改定
さらに各年度とも、介護報酬は実質的にマイナス改定であることも重要である。例えば、06年度の改定率はマイナス0.5%だった。12年度はプラス1.2%だったものの、介護職員処遇改善加算分を差し引けば、実質はマイナス0.8%だった。
17年度には介護職員処遇改善加算を拡充したため、臨時のプラス改定(プラス1.14%)があった。この改定は、政治主導の下、半ば強引に実施されたものだ。それだけに、「国の財政が厳しい中、介護報酬ばかりに財源を割き続けるのはいかがなものか」という声は、いつにも増して高まるだろう。
つまり、どう考えてみても、18年度の介護報酬改定は非常に厳しいものになると予測されるのだ。そうである以上、各事業者は、こうした厳しい状況を踏まえつつ、できる限り早期に情報を収集して対策を練らなければならない。
中でも注目すべきは、前回の15年度介護報酬改定で、大きく基本報酬が引き下げられた特別養護老人ホーム(特養)と通所介護(デイ)だろう。
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