12日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)では、小規模多機能型居宅介護(小多機)でのケアマネジメントも議題として取り上げられた。現在、小多機の利用者の居宅サービス計画(ケアプラン)の作成は、事業所内のケアマネジャーに限定されているが厚生労働省は、この点に注目。事業所外のケアマネジャーによる「外付け」のケアプラン作成の是非を論点として掲げた。また、小多機の人員基準や利用定員なども論点として示された。【ただ正芳】
小多機は、利用者の選択に応じて施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組み合わせたサービスを提供する。支払い方法は一カ月ごとの定額制で、全国の事業所数は4984カ所(昨年4月現在)。2015年度の介護報酬改定では、登録定員が25人から29人に引き上げられた。
ただし、このサービスも他の介護サービスと同様に、職員不足に悩まされており、全事業所の約4割が職員不足に悩んでいるという厚労省の調査もある。また、ケアマネジャーが事業所内に配置されているため、利用者の急変に応じてケアプランを柔軟に変更できる長所がある一方、別の介護サービスを使っていた人がこのサービスを利用する場合は、ケアマネジャーを変更しなければならない点などが課題とされていた。さらに訪問介護や通所介護、訪問入浴などの他の居宅サービスが併用できない点も課題とされていた。
こうした状況を踏まえ、昨年12月に閣議決定された「平成28年の地方からの提案等に関する対応方針」には、小多機の利用者のケアプランを、外部のケアマネジャーが作成した場合の介護報酬について、18年度の改定に向けて検討して結論を得、必要な措置を講ずることが盛り込まれた。
これらの課題や方針を受け、厚労省は12日の介護給付費分科会に、小多機について次の論点を示した。
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