【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■高齢化が進む一方で療養病床利用率は低下
日本は諸外国に比べ、劇的なスピードで高齢化が進んでいる=グラフ1=。12月2日の第18回社会保障審議会人口部会では、10月に平成27年の国勢調査の結果要約が示されたが、日本は1980年代中ごろから2000年にかけて、諸外国を追い抜いていたことが分かる。
総務省「平成27年国勢調査『人口等基本集計結果』要約」(平成28年10月26日)
厚生労働省のウェブサイト「地域包括ケアシステム」の説明でも、「65歳以上の人口は、現在3000万人を超えており、2042年の約3900万人でピークを迎え、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されています。このような状況の中、団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年(平成37年)以降は、国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれています」とあるように、医療・介護需要の増加は当面続く想定である。
厚生労働省のウェブサイト「地域包括ケアシステム」の説明
にもかかわらず、療養病床(病院分。診療所は含まない)における病床利用率は10年以降、年々低下している=グラフ2=。
グラフ2 療養病床(病院)病床利用率の推移
厚生労働省平成18年-27年病院報告を基に作成
患者の増加が想定されるのに、病床利用率が下がっているのはなぜか。この疑問を解くことで、療養病床の課題などが見えてくるかもしれない。
次回配信は2017年1月4日5:00を予定しています
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