【JAかみつが厚生連上都賀総合病院副院長兼看護部長 齋藤由利子】
前回、「当院では、看護部のベッドコントロール業務とPFM(Patient Flow Management)の退院支援・調整が連携・連動し、機能していることが大きな売りである」と説明した。当院では、看護部が、病院長からベッドコントロールの一切の権限を委譲されている。
講演などでも、「なぜベッドコントロールの権限を看護部が担うのか」と質問されることがあるが、その理由を説明したい。
ベッドコントロールは、病床を効率的に運用するための管理・調整であり、入院患者のスムーズな受け入れと退院情報の把握が非常に重要だ。それらの状況を瞬時にかつ的確に把握・判断できるのは、患者の一番近くにいる看護師であり、その情報を共有している看護部が全体を俯瞰しつつ、公平にベッドコントロールを行うことに意義がある。
電子化などが進み、他部門でも病院全体の空床を把握することは可能である。しかし、病棟の全患者を総括的にとらえたり、当日の重症者の状況、手術や検査等のイベント、職員の勤務状況を考慮したりしたベッドコントロールの判断は、看護部で行うことがより効果的であると考える。
ここで当院における退院支援・調整のシステムについて触れたい。当院では診療時間内の入院に関しては、ほとんどPFMの看護師が基本情報を聴取している。同時に「退院調整スクリーニングシート」により、退院困難の要因を洗い出し、「退院支援計画書」を作成している。従って、退院困難が予測される患者の情報を、入院時から退院支援専従看護師やMSWへと伝え、早期から連携を図っている。
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