東京医科大病院(東京都新宿区)は10月28日、産科・婦人科に入院中の患者に対して4月15日に実施された子宮頸部円錐切除術中に火災が起き、患者が熱傷を負った事案について、最も可能性の高い原因は「レーザー手術器からの照射が可燃性の腸内ガス(おなら)に着火した」とする外部調査委員会の調査結果を公表した。この事案は中立性や客観性を担保しながら、原因究明をして再発防止策を打ち出したという観点で、昨年10月にスタートした医療事故調査制度を円滑に運用するための示唆に富んでいる。【君塚靖】
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外部調査委員会による調査結果の報告書では、手術中の出火は腸内ガスが膣内に入り込んで術野付近が腸内ガス環境になり、レーザー照射をきっかけにガスに着火して、最終的には患者の臀部下に敷いていたドレープに火が付いた可能性が高いと結論付けている。この報告書を踏まえて、今後、腸内ガスへの着火の可能性に対して、スポンジを肛門に挿入、または湿らせたガーゼを挿入するなどの安全対策を取る必要があるとの再発防止策につなげた。
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